(PANA=写真)

みんなの党 代表 渡辺喜美(わたなべ・よしみ)
1952年、栃木県生まれ。早稲田大学政治経済学部、中央大学法学部卒。父の故・渡辺美智雄の秘書などを経て、96年に衆議院初当選。内閣府特命担当大臣を経て、2009年に自民党を離党。みんなの党を結党し、代表に就任。


 

人気の橋下大阪市長にいち早く接近した。橋下氏の政策が、みんなの党の「アジェンダ」と共通しているそうだ。勘のよさとフットワークの軽さは父親譲り。大蔵大臣などを歴任した父・美智雄氏は自民党領袖の一人。その秘書から1996年に地盤を継いで初当選。安倍政権で行革等担当相に起用され、天下り規制などに尽力した。しかし、公務員制度改革が麻生政権で骨抜きにされたと反発し、2009年に自民党を離党。みんなの党を立ち上げた。

その基本政策には「小さい政府」「経済成長戦略」「日米同盟重視」とあり、小泉政治の基本理念に一致する。01年4月、小泉氏が3度目の総裁選出馬を決意する前、田中真紀子氏に応援要請に行く一幕がある。渡辺氏はその場に立ち会った小泉旋風の仕掛け人だ。政治手法も近い。敵をつくり叩く。一貫して公務員制度を攻撃し、「その手のひらに乗っている」と、民主党政権を批判する。無駄遣い排除を断念し、増税を目指す民主党への不満をエネルギーに、次の総選挙で党勢拡大を狙う。ところが典型的な「一匹狼」だ。そこも小泉氏に似ているが、決定的な違いは、離党してしまったということ。小泉氏は耐えて上り詰めた。えてして「飛び出し組」は大組織を率いる力量なしと判断される。

おまけに「お山の大将」だ。他人が履く草鞋を編むことは絶対にできない。日本政治は、いまだ「数」だ。政治家は多数を束ねる胆力を試される。渡辺氏が多数の一角を担って政権を動かすときがあるとすれば、そのときの混乱ぶりは、容易に想像ができる。それをさとられてか、世論調査でも総理への期待値はあまりにも低い。「橋下氏へのすり寄り」という大組織に縛られないフットワークのよさが、「浅はかさ」と映ることを理解してほしい。