「モノ系」ビジネスはうまみがない?

ベンチャーを始める時には、そこでどんなビジネスモデルの事業を行うかを考えますよね。その場合の大きな選択肢の一つとして、物理的な「モノ」が関連するビジネスにするのか、それとも「情報」だけのビジネスモデルとするのか、ということがあります。

ということで、今回は、モノが関連するネットビジネスを「モノ系」ネットビジネスと称して、代表的なAmazonを取り上げ、「モノ」が絡むビジネスモデルを考えてみたいと思います。

■「モノ系」ビジネスモデルと「情報系」ビジネス

ここで「情報系」ビジネスと呼ぶのは、グーグルのように、サーバーでデータを集めたり検索結果を表示したり、基本的に「情報」のみを扱うビジネスモデルのことを呼ばせていただきます。

物理的な「モノ」が介在する「モノ系」ビジネスの代表例はEC(電子商取引)です。

しかし、一般に「EC」と呼ばれる事業も、財務的に見てみると、内容が大きく異なったものが混在していることがわかります。例えば、アマゾンは自分で在庫や配送センターを持って配送まで行っているので、「EC」の中でも最も「モノ」っぽい事業です。

これに対して、楽天も同じ「EC」として取り扱われることが多いですが、主に楽天のモールに出店している商店が「モノ」を扱っていて、楽天自らが在庫を持ったり物流を行うということは(ゼロではないと思いますが)ほとんど無いはずです。というか、楽天の連結貸借対照表で見ると、楽天はすでに「小売業」というよりは「金融業」になっていることがわかります。

物理的な「モノ」というのは、動かすのに人や自動車などの輸送手段を使って大きなコストがかかりますし、消費するのも(限界効用逓減的な意味で)限度があります。このため、ネットビジネスを考える場合、「モノ」をかまさず「情報」のみでビジネスを構築した方が、成長速度も速く、スケーラビリティの大きな事業に成長する可能性があります。逆に、「モノ」を絡ませれば絡ませるほどコストや投資も必要となりますので、事業の黒字化も遅れる傾向があります。

ただし、「情報」だけのビジネスがおいしいことばかりかというと、もちろんそうではありません。

投資がかからず参入が容易な分、ライバルとの競争が激しくなりますし、「情報」で勝負がつかない場合には、結局、物理的なボトルネック(例えば、イケてるエンジニアをどちらが集められるか)といった競争にもなります。