▼小宮さんからのアドバイス

経営コンサルタント 小宮一慶 こみや・かずよし●1957年、大阪生まれ。銀行勤務後、MBA取得。著書に『社長の教科書』『どんな時代もサバイバルする人の「時間力」養成講座』など多数。

インプットに費用をかければ、それだけいいアウトプットができるというわけではありません。何十万円もする高額のセミナーに参加しなくても、同じテーマの本を一冊熟読すれば、それで十分用が足りるというケースは、決して少なくはないはずです。ためしに日経新聞の月曜版を読んでみてください。私は日経の月曜版をさまざまなところですすめていますが、まさにアウトプットに活かせる指標、データの宝庫といっていいでしょう。それが、わずか160円で手に入るのです。

もちろん、勉強やインプットにはある程度の初期投資は必要です。しかし、インプットの工夫の項でも述べたように、いいアウトプットができるようになれば、必然的に収入というのはあがってきますし、結果的にお金がついてきます。

たとえば一流のフォトグラファーやクリエイター。彼らは最初から稼げていたのでも、お金になる写真の撮り方や作品のつくり方を知っていたのでもなく、プロとしての技術を磨き、経験を積みかさねた結果、高い報酬を得ることができているのです。もし彼らがすぐに収入になるような目先の仕事だけを選んでいれば、いつまでも現在のような一流の仕事だけでなく、一流のスタッフにも巡り会えなかったと思います。お金になる仕事ばかりに飛びついていては、けっきょくはいちばん損をするのではないでしょうか。

※すべて雑誌掲載当時

(山口雅之=構成)