ガラスの天井って知ってます? 日本では、女性雇用に積極的な企業で女性にいくら能力があっても、見えない天井にぶつかって、出世コースを外れるようにうまく設計されているんです。キャリアの女性の間では共通の認識だと思ってます。

(PANA=写真)
メーカー勤務の北島さん(仮名以下同、43歳)はバッサリ切り捨てる。1986年施行の男女雇用機会均等法によって男性と対等に働いてキャリアを積み重ねていける時代が始まった……はずなのだが、どうも現実はそううまくは運んでいない。
ある大手企業では、女性総合職採用第1期生である40代半ばはすでに全滅、かろうじて第3期、4期以降からがごく少数残留しているのみだという。
一体どこで女たちは道を踏み誤ったのだろう。食品会社に勤める速水さん(51歳)は、こう分析する。

【速水】結局、キャリア女性にはロールモデルがいないんですよ。順調に出世しつつ、結婚して子どもも産んで幸せな結婚生活も営んで。そんな幸福を絵に描いたような人生を地でいく人なんて見たことありません。たまに仕事と家庭を両立させている人がいても、出世しているのかというと、微妙なところ。

かわいらしい雰囲気ながらも独身の速水さんは、家庭を持つことを諦め、キャリアを築こうとしているが、それもうまくいかないという。
ならば、せめて外資系企業なら救いがあるのではと、世界中に支社を持つ企業に勤務するキャリアウーマン青木さん(35歳)に水を向けてみたが、意外な答えが返ってきてしまった。

【青木】開放的に見える外資でも仮面の下をのぞくと男女差別は結構あります。出世できる女性は実際は少ない。さらに結果を厳しく要求されるので、自宅に仕事を持ちこみ、家事がおろそかになって家庭崩壊した同僚、部下も少なくありません。