1.信頼感(Trust)のデザイン

原則1:FCでは、想いを持った人にとっての大切な問いから、すべてが始まる

フューチャーセンターの空間そのものに、哲学や思想が現れていると、「昨日今日の思いつきで人を集めたわけではないのだな」と思ってもらうことができるでしょう。「世界を変える」という意志をもったフューチャーセンターならば、大きな世界地図に「未解決の問題」をすべてピンで留めているかもしれません。「誰にとっても暮らしやすい社会」をめざすフューチャーセンターには、子供やお年寄り、車椅子などの実物大のグラフィックが壁に描かれているかもしれません。

セッションの中で、信頼感をデザインするには、「想いを持った人」の存在が不可欠になります。フューチャーセンター・セッションのテーマを提起する人が、この問題を語るにふさわしい人だと誰もが思えれば、セッションに対する信頼感は高まります。たとえば、世の中の問題解決を生業にする社会起業家や、リスクをとってプロジェクトを立ち上げたリーダーは、テーマ提起者としてふさわしい選択です。また、地域の問題を熱意のある「よそ者」が解決しようと立ち上がった場合も、その人の人生に「心をふるわせる理由(経験)」があったということを物語ることで、信頼感が高まることもあるでしょう。

もう一つの要素は、ファシリテーターの示す情熱です。ファシリテーター自身が、「この場に集まった人たちには、この問題を解決する力がある」と信頼し、そして「必ず創発を起こす」という強い意図を持っていることが、その場に大きな影響を与えます。ファシリテーターの示す「場への信頼」が、参加者にとてつもなく大きな信頼感を与えるのです。

2.多様性(Diversity)のデザイン

原則2:FCでは、新たな可能性を描くために、多様な人たちの知恵が一つの場に集まる

多様性と一言でいっても、国籍、性別、年齢、思想、階層、業界、職業、専門性、など、さまざまな切り口があります。フューチャーセンターには、「多様であることをパワーに変えていく力」が必要になります。そのためには、空間もファシリテーションも、「インクルーシブ(除外されてきた人々を包含する)」にデザインされている必要があります。空間的には、できる限りユニバーサルデザインが施されるべきでしょう。参加者は、多様な職種から選ぶ、男女のバランスを考えるということはもちろんのこと、積極的に幼児や老人、障害を持った人を招き入れ、「違いから学ぶ」ことを体感することも大事になります。

ファシリテーションでは、役員とか管理職といった階層を感じさせない、さらには階層間での学び合いを積極的に促すことが必要です。サークルになって座るなど、上座の存在しない形式をとることが、何より大事です。そして、ニックネームで呼び合う、身体を使ったゲームを行う、ワールドカフェのように席を次々と替わって少人数で話すなど、楽しい雰囲気で階層を感じないコミュニケーションができるようにしていきます。