2012年2月28日(火)

「絆ビジネス」は日本を救う小さな巨人になる

ミシンカフェ、編み物カフェ……仲間づくりがビジネスに

PRESIDENT 2012年2月13日号

著者
石井 淳蔵 いしい・じゅんぞう
流通科学大学学長

石井 淳蔵

1947年、大阪府生まれ。神戸大学大学院経営学研究科博士課程修了。神戸大学大学院経営学研究科教授などを経て、2008年4月より、流通科学大学学長。専攻はマーケティング、流通システム論。著書に『ブランド』『マーケティングの神話』『営業が変わる』などがある。

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流通科学大学学長 石井淳蔵=文
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長引く景気低迷と市場の縮小。日本市場好転の気配なしと分析する筆者だが、最近広がる現象に注目する。雇用や収益の創出も期待できる、新しい試みの可能性を探る。

大学新卒で就職できるのは6割程度

今、日本の企業は自らを育てた日本の市場を離れ、工場や店舗など資源を海外にシフトさせようとする。それに伴い、新卒採用もすでに、日本人より外国人のほうが多いという会社も少なくない。日本で生まれた会社でも、日本のため、日本人のためにあるわけではない。

それはそうだとしても、その日本で生きていくしかない私たちにはつらいものがある。私の身の回りに大勢いる就職を控えた若者たちから、人生の希望として、「正規社員になること」という回答があがってくると聞いたとき、まことにもって切ないと感じたのは私ばかりではないだろう。

確かに、大学を卒業して、これまでのように新卒として会社に入る割合はもう6割ほどしかいないという現実になっている。事態は、そこで収まりそうにない。日本企業が、「日本で学ぶ日本人」を採用する意欲は相対的に乏しくなっているようだ。

「これからの採用で、以下のどの枠を重視しますか」という質問に対する企業人・有識者の回答からわかる(関西生産性本部2011年調査)。「日本で学ぶ日本人学生」枠が、依然34%と一番高いが、「日本で学ぶ外国人留学生」あるいは「海外で学ぶ日本人学生」を増やしたいという企業の割合もそれぞれ27%ある。

思う以上に、「日本で学ぶ日本人」に対する期待は低い。このままだと、「人生の希望は正規社員になること」という日本で学ぶ日本人学生はいっそう増えることになる。

「では、大学に行かず、高校を終えて就職すれば」と思われる方もおられるかもしれないが、高校の状況はもっとひどい。

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