グラフの出典:gooリサーチとの共同調査「あなたの時間の使い方に関するアンケート」(n=1500万円以上306人、500万円台311人/2009年11月調べ)

意味あるアウトプットをするためには、適切なインプットを心がけることも大切です。極端な例ですが、たとえばJリーガーになりたいと思っている人が、毎日10時間卓球の練習をするのは、アウトプットにつながらない無駄な努力です。そうならないためには、インプットの前に将来経営者になりたいとか、リーダーシップを発揮できるようになりたいとかいうように、アウトプットの目的やアウトプットする場をはっきりさせておき、それが何の役に立つのかを絶えず検証しながら取り組むことです。

インプットを重ねている割にアウトプットの機会がいつまでたってもやってこないと感じる人もいるかもしれません。しかし、その人は明らかに勘違いをしています。いくら新入社員がプロジェクト・リーダーになりたいと願っても、いきなりは無理なのと一緒です。それでも普段から準備をしていれば、上司から企画を求められたとき、すぐに応えることができます。そのような仕事を積むことで、やがて必ずリーダーに抜擢されるチャンスが巡ってくるのです。

イチローだって、野球を始めたときからマリナーズのレギュラーが約束されていたわけではありません。常に練習を重ね、準備を怠らなかったからこそ、ここぞというときにいいアウトプットができた。その結果がいまなのです。その意味で、チャンスの反対語はピンチでなく、準備であると私は思っています。

※すべて雑誌掲載当時

(山口雅之=構成)