顧客の趣味・嗜好に合わせて情報を配信する

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マスマーケティングとパーミッション・マーケティング

CCCのこうした手法を、パーミッション・マーケティングと言います。消費者が事前に自分の趣味や嗜好を登録し、それに関連したメッセージを受け取ることを許可(パーミッション)した情報を提供するため、レスポンス率が高いのが特徴です。

パーミッション・マーケティングは、99年に米ヤフーの副社長だったセス・ゴーディン氏が同名の著書で提唱した考え方です。テレビや新聞などの従来のメディアでは、複数の視聴者に対して同一のメッセージを配信することしかできませんでした。しかし、インターネットの発達によって、個々の消費者に合わせた情報を配信することが可能になりました。今や、この考え方は、ネット時代の基本手法といえるでしょう。

パーミッション・マーケティングを成功させるカギは、消費者からどのような情報を集め、それをどう分析するかにあります。CCCは、CDやDVDのレンタルや販売ではなく、フランチャイズ加盟店に売れ筋・死に筋の情報を売ることによって収益を挙げている企業です。従来、データの収集、分析を得意としていたからこそ、この手法をケータイでのマーケティング活動へスムーズに応用できたともいえるでしょう。

※すべて雑誌掲載当時

(構成=大塚常好)