頭金は物件価格の10~20%程度は用意しておいたほうがいいでしょう。自営業者の場合はローンが組みづらく、それ以上必要になるケースもあります。

頭金の額によって、返済総額にどれくらい差が出るか。4000万円の物件を購入し、35年の住宅ローン(金利3.6%、毎月定額返済、元利均等方式)を組んだとき、頭金1500万円なら返済総額は4400万円あまり、頭金1000万円で約5300万円、頭金500万円で約6160万円、そして頭金0円なら7000万円あまりというのがおおよその計算です。

頭金0円と頭金1500万円とでは、返済総額が2600万円も違います。頭金が不足気味でも、その後数年ごとに繰り上げ返済するようにしましょう。

維持費もバカになりません。マンションの場合、管理費や修繕積立金が徴収されます。額は管理会社によりますが、新築だと月額合計2万~3万円ということが多いようです。「マンションは管理を買え」と言いますが、全くその通りで、建ってから10~20年後の価値が、管理によって雲泥の差となります。よって、修繕積立金が破格に安い場合や長期修繕計画のない物件は要注意です。

マンションに限らず、土地、戸建てを含む中古物件を購入する際は、仲介手数料がかかります。相場は「販売価格の約3%+消費税」。新築の場合、基本的にかかりませんが、小規模の一戸建て業者の「戸建て売り」は仲介業者が販売するケースが多いです。

中古物件に関してはもうひとつ出費項目があります。リフォーム代です。室内のクリーニングだけなら10万~20万円程度ですが、キッチン・バスなど水回りを新しくすると、軽く100万円以上かかります。部屋の間仕切りをなくしてリビングを広くするなど、大規模な改修レベルにまでなると600万~800万円は用意しておいたほうがいいでしょう。また、設計士に見積もりをとって図面を作成してもらうなどのリフォーム設計料は、通常30万~50万円程度がかかることも覚えておきましょう。

※すべて雑誌掲載当時

(構成=大塚常好 撮影=宇佐見利明)