伝統的な組立て作業中心の産業、たとえば自動車、家電、半導体、カメラなどは、従来から総費用構成の二五パーセント以上が労務費で占められているが、この種の産業の性格が今日では変わってきた。高度の生産技術、オートメーション、ロボット工作機械設備、数値制御装置などが出現した結果、これらの産業で労務費の占める割合が現在では五~一〇パーセント程度にまで下がった。昨日の労働集約産業は今日の資本集約産業に変わりつつあり、もはや大量の労働者を吸収することができなくなった。

この種の業界で経営者が新事態の展開に追い着けないと、企業は過大な労務費に悩むことになる。「もっと投資を増やして資本集約的になればいいではないか」というかもしれないが、それでは解決にならない。余剰人員をどう整理するか、十分な職場をどうやって作り出すかを考えられないからだ。そういう企業は従来どおりの方式で製品を作り続けるほかはなく、競争上きわめて不利になる。