世界を回ってみると、世界的な不況でしょげているのはどこの国も一緒だが、活力のある国は若い世代が日本のように縮み上がっていない。

たとえば中国。今、中国には上場を志向している会社が6万社あるという。

マッキンゼーでアジア太平洋エリアの所長をしていたときのこと。優秀で使えそうな人材は、サンフランシスコやロサンゼルスの事務所に預けて2~3年修業させるのだが、大抵の中国人は修業から帰ってきて1年もすると「お世話になりました」と言い出した。

聞けば、親戚のおじさんと会社を興すとか、そんな話ばかり。「いろいろ教えてもらったので、もう大丈夫です」と、しれっと告げて去っていく。一人前のコンサルタントに育てるため、どれだけの金と時間をかけたのか、ぼったくりも甚だしいと当時は腹も立ったが、今にして思えば鶏口牛後の故事が染色体レベルに刻まれているのが中国人というものなのだろう。

こうした中国人のメンタリティがわかると、上場予備軍6万社という数字も理解できる。景気の良し悪しは関係ない。資本市場が整備されたら中国は爆発する可能性を秘めている。

中国で6万社なのだから、人口10分の1の日本は、せめて6000社ぐらい上場予備軍がひしめき合っていてほしい。それなのに年間IPO社数が、わずか60社にも満たないのが今の日本の現実なのだ。