政府はしきりに景気対策を強調するが、従来型の財政出動を繰り出して、古い会社を助けるだけでは新しいものは生まれてこない。SOX法の導入や上場審査の厳正化で上場のハードルを上げるよりも、若い起業家を育てるためにもう少しダイナミックにルールを変えていくべきだ。

そして誰も飢え死にしていないのに一律1万2000円もの定額給付をするくらいなら、若い世代の起業支援に回して会社をつくらせたほうが、よっぽど価値がある。

私はこの15年間、BBT大学院大学、アタッカーズ・ビジネススクール(ABS)、大前経営塾など管理職や起業家を養成する学校を運営してきた。ABSでは4000人の卒塾生を輩出。起業を目指す若い世代はアイデアに溢れているし意欲もある。それでも起業できない理由は、当時、株式会社設立の最低資本金1000万円を用意できなかったからだ。

定額給付金の予算2兆円を1000万円で割れば20万。つまり、20万社分の起業を支援できる。起業の成功率は千三つ(1000に3つ)だから、20万社立ち上げて一本立ちできるのは600社程度。それでも十分である。

私が指導してきた若い起業家の成功率は、もう少し高くて6~7%。仮に大前学校の卒業生20万人に支援してくれたら、1万2000社も新しい会社が出てくる。もしそうなれば日本の景色は一気に変わるだろう。