現職の重慶市委員会書記の薄熙来氏(60歳)は第4・5世代ではあるが、依然として次期首相候補の一人といわれている。

薄氏は大連市長や遼寧省長を務めた後、国務院で商務部長(長官)を経て07年に現職就任。この人事は左遷ともいわれたものの、薄氏は重慶市で大規模な汚職事件の摘発に乗り出し、今年1年で実に3000人以上を逮捕した。

もともと工業都市として発達した揚子江上流の重慶市は大気汚染がひどく、どこか澱んで暗い雰囲気の街だったが、薄氏が書記になって以来、大規模な再開発が進んで街は一変しつつある。豊富な労働力をあてにしてフォードなどの外資系企業も続々と進出を決めるなど、経済成長率はこの2年連続で14%に達している。

重慶の人口は3000万人だから、一国の人口規模に値する。中国には人口100万人以上の都市が100以上ある。それらの都市に汪氏や薄氏のような“事業部長”トップがいて、お互いが経済成長という業績結果を出そうと覇を競っているのだ。

当然、市長選挙などはない。市長の人事権を握っているのは党中央。今の中国は中国共産党というホールディングカンパニーの下に数百の事業本部があるとイメージすればわかりやすい。市長がクビになる理由は3つ。1つは汚職腐敗。2つ目は市民の暴動を許した場合。そして3つ目が経済成長率7%以下を2年続けた場合だ。