21世紀の最初の節目を迎えたが、ここ数年の最大のパラダイム転換は何かといえば、先進国と新興国の立場が入れ替わったことだろう。

一昨年のリーマンショック以降、冷え込んだままの先進国経済とは対照的に、新興国はそれぞれ成長のエンジンを再点火させている。たとえば昨年(注・2009年)のブラジル投資のリターン率は、株式市場の伸びに加えて通貨が強くなった相乗効果で200%以上を記録した。

世界で昨年のリターン率が100%、つまり投資が倍以上になった成長市場は5~6カ所あり、ブラジルのように3倍になって返ってくる国も出てきている。世界の富裕層がファンドに投資したり、保険や貯金に入れている不要不急の資金の総額は8000兆円といわれるが、その巨額なボーダーレスマネー、ホームレスマネーの多くがそうした新興国や、先進国でもカナダやオーストラリアのような資源国に流れ込んでいるのだ。

今のトレンドとして、複雑な国にはそうした資金は向かわない。複雑な国とはアメリカやフランス、ドイツのように、八方美人の政策からいろいろなことを模索して手を出す、さまざまな要素を持っている国のことだ。