ヨーロッパの経済は相互依存が進んでいるため、一国が破綻すると思わぬ国に飛び火する。たとえばバルト三国の経済危機ではスウェーデンの銀行が債務の七割を貸し込んでいたことが判明して、IMFはスウェーデンの救済を優先する事態に発展した。

アイルランドの最大の債権者はロイヤルバンク・オブ・スコットランドやロイズ銀行などのイギリスの銀行団だ。アイルランドが危機に瀕すれば、イギリスの銀行も危機的状況に陥るので、緊縮財政路線を採るキャメロン政権といえども、アイルランドへの七〇億ポンド(約九三〇〇億円)支援をあっという間に決めたのだ。

このように相関関係が入り組んでいて、危機がどこに連鎖するかは、起こってみないとわからない。この危機への対応策についてもEU、ECB、IMFの意見がバラバラで、それぞれ個別に対応するケースが多いのだ。また最近になってユーロ建ての債券を発行し、それを危機対策に使おう、という話が持ち上がっているがドイツが頑強に反対している。ポルトガルやアイルランドは発行金利が下がってありがたいが、ドイツがユーロの平均まで上がる、というのは許容しがたい、という理由である。