アメリカの金融機関のもう一つの心配事は商業用不動産の過剰建築(オーバービルド)だ。サブプライムでは住宅用不動産だったが、今度は建てすぎた商業用不動産がダブついて賃貸料が下がってきている。日本でも九〇年代後半に商業用不動産の暴落に見舞われたが、アメリカでは住宅用より商業用不動産に銀行が派手に貸し込んでいて、このオーバービルドが引き金となった金融危機が懸念される。

そしてアメリカの財政赤字だ。アメリカの政府債務残高の対GDP比は、一〇〇%近くにまで膨らんでいる。日本は一八〇%だから累積で見た場合には日本ほど深刻ではないが、国債の消化を海外に頼る点では世界経済に与える影響が大きい。単年度ベースで見ると国債発行額の対GDP比は八~一〇%で日本の数字に近く、急速な勢いで赤字(対外債務)が増えているのだ。