もっとも銀行の貸し渋り以前にアメリカのクレジット社会そのものがリーマンショックで変質して、「Play now! Pay later!」(今は遊ぶとき、支払いは後で)の消費マインドが冷え切っている。長年マイナスだったアメリカ人の貯蓄率は今や六%オーバー。一方、一九八六年の前川レポート時には、一八%あった日本人の貯蓄率は、今や二%台に落ち込み、日米の貯蓄に対する姿勢は逆転しているのだ。

にもかかわらず支持率低下に焦りを募らせたオバマ政権が景気対策で金をばら撒いても、国内は一向にインフレにならずに、世界中にインフレが輸出されるという状況になっている。日本と同じくアメリカ経済もまた資金を吸収しない、または吸収できない構造に変化してしまったのである。