大前 フランスでは新生児の五六%は未婚のカップルから生まれています。というのは、給付金を受けるための条件として、正式な結婚や戸籍への登録が法律で義務付けられていないからです。しかし日本では未婚のカップルから生まれた子供は婚外子として扱われ、戸籍に登録していなければ生涯にわたって非常に大きなハンディキャップを負ってしまう。社会が婚外子を認めず、虐待やイジメの対象となる恐れがあることから、日本では未婚のカップルから生まれてくる子供は全体の二・六%にすぎません。一九世紀の遺物ともいうべき「戸籍法」を変えない限り、単にお金をばら撒くだけの政策では、国民のマインドを変化させることなどできないのです。

(ジャック・アタリ氏との対談より)