大前 一五年前、私は「今、目を覚まして問題に取り組まなければ、日本はポルトガルやスペインのような運命を辿ることになる」と警鐘を鳴らしました。日本人の平均年齢は〇五年には五〇歳近くになるため、〇五年までに日本は何としても変わらなければいけないと主張したのです。

社員の平均年齢が五〇歳という会社を何社か知っていますが、こうした会社に勤める社員は「変化」そのものを嫌がります。彼らは定年まで無事に勤め上げることしか考えません。したがって、日本が変わろうとするインセンティブ、つまり日本の社会制度を再構築しようというインセンティブは国民の平均年齢が五〇歳に近づく〇五年になれば消えてしまう、と警告し危機感を煽ったのです。

(ジャック・アタリ氏との対談より)