大前 アタリさんは危機の解決時期を一一年とおっしゃいましたが、私もヨーロッパはいずれ何らかの解決策を準備しなければならないと思います。金融危機は「流動性の危機」がきっかけになることから、中央銀行の機能を強化するなど、EUにいくつかのメカニズムをつくる必要があることは、ヨーロッパの人々ならもちろん理解していると思います。

「流動性の危機」が生じると巨額な資金が必要になります。このとき、ヨーロッパ単独でこうした巨額な資金を調達しようとしても困難でしょう。日本には一兆ドル、中国には二兆八〇〇〇億ドルの外貨準備があります。今となってはEUが破綻しても誰の利益にもならない。世界各国で資金を出し合ってプールした流動性を活用することによって、EUの安定性を確保することができるはずです。日本だけではなく、当然、中国にもこうした流動性のメカニズム創設に協力する義務があります。

(ジャック・アタリ氏との対談より)