大前 我々日本国民には十兆ドルの純貯蓄がありますが、これが九兆ドルという日本の公的債務を賄っているのが現状です。もし自分たちの銀行預金や郵便貯金が実際には国の借金をファイナンスしていると知ったら、国民は度肝を抜かれるでしょう。さらには日本国債がクラッシュしたら、国民の貯蓄はすべて吹き飛んでしまう。アタリさんがこの本で鳴らした警鐘に驚いた読者も多かったのではないでしょうか。

残念ながら、今の日本政府には歳出を削減しようとする気などないようです。アタリさんは公的債務の解決策として歴史的に八つの方法(増税、歳出削減、経済成長、低金利、インフレ、戦争、外資導入、デフォルト)しかないと述べていますが、このままでは日本国民が危機に呑み込まれる以外に選択肢はなさそうです。

(ジャック・アタリ氏との対談より)