ケインズ経済学は閉鎖経済における「質量保存の法則」を前提に、貨幣と金利と雇用と消費の関係を説いている。しかし各国経済が複雑に相互依存しているボーダレス経済下では、ニューディール政策でいくら国内に有効需要を創出しても、資金を供給しても、効かない。国境を越えて人、カネ、モノ(企業)、情報が移動してしまうからである。企業はいとも簡単に国境を飛び越えて、需要のある場所に投資し、需要のあるところに雇用をつくり出す。さらには、つくった製品を国内に輸出するから、逆に国内雇用が圧迫されてしまうことになる。