この世の中の難題はほとんどすべて、「ごくありふれた領域」で起こっている。ごくありふれた領域がまだ十分に理解されないために起こっている。

富や貧乏、幸せ、悲しみ、藤、生産活動、破壊活動、愛と憎しみ――どれをとってもわれわれのまわりの、ごくありふれた現象である。これらが依然として十分に理解されていない、ということは、まだまだごくありふれた事象を観察して得られる知見の豊富なことを示唆している。

心霊現象にとびつく前に、二人の人間がなぜ合意し、反対し合うのか、という現象の解明をしてもらいたい。企業集団の中でなぜ閥ができるのか、なぜある人には意思決定ができ、説得力がつくのか。なぜ人間には達成意欲があるのか、なぜある種の人は思考が飛躍するのか、どうしてこうも個人差があるのか、等々わからないことが山積している。しかも、これらがわかれば、現実には企業活動の向上に大いに応用できることは間違いない。