一般に、自ら開けていったような市場というのはごく稀と考えたほうがよく、新市場の開拓には金とリスクが伴うのが普通である。すでに押さえている市場に、新しい製品(または型式)を提供するのは、市場の競合状態にもよるが、中投資・小リスクの展開であることが多い。ただこの点で注意しなくてはならないのは、新製品が現有市場のニーズにマッチしている、という点の保証である。日本のメーカーのなかには、販売会社から大きくかけ離れた設計室で製品企画をする場合が多く(自動車業界の大半は、自工と自販とに分かれており、両者間の葛藤はよく茶飲み話にのぼる)、この場合には、必ずしも多様化は小リスクであるとは言い切れない。