今日の日本の会社における業務は、基本的には人件費の安かったときのやり方をそのまま踏襲しており、驚くほど管理職の時間が無駄に使われている。年棒一千万円になんなんとする人たちが十人も集まって一時間会えば、その給料だけで五万四千円、部下がその間遊んでしまうのであれば簡単にその十倍、すなわち五十万円見当にも相当する、という認識が少ない。まして、その人々が本来それほど価値のある仕事ができるのかどうか、という検討さえなされていない場合が少なくない。

ちょっとしたことですぐに大阪の支店から東京の本社に出張したり、工場の人々を呼びつけたりする癖も残っている。業務の流れの中で、会社的な隘路となる人がいれば、その人の一時間は会社全体のかせぐ一時間分の操業利益に相当する、といってもさしつかえない。事業戦略家が人的隘路の解消に躍起となるゆえんである。