私は、従来から日本における低失業率は擬装されていると思っていた。どの会社の組織図を見ても、機能的に必要最小限の管理職数を求めた場合に比べて、余計な人が倍数近くいるのが普通だからである。これが、非能率の悪循環を形成する原因ともなっているのであるが、中間管理職をスッキリさせれば、当然大量の余剰人員が出るだろう。石油危機以降の不況に突入したある大企業の真剣な計算では、今後実に二七%もの人間が不要となるであろう、ということであった。二万人を解雇する方法を見つけようとする前に、二万人を食わしていける方法を見出そうという発想は実に日本的戦略的ギャップのとらえ方で、きわめて高く評価されるべき経営姿勢でもあろう。