心理経済学の観点から正しいリーダーシップを発揮した好例は、アメリカのクリントン元大統領だ。持ち前の明るいキャラクターで、インフレ退治を理由に金利を上げた。20世紀の経済学の教科書によれば、利上げは景気を抑制する方向で作用するはずだが、結果は逆。世界的な低金利時代にアメリカだけ金利を高くしたから、世界中から資金が流れ込んできて、アメリカ経済は空前の活況を呈することになった。一時的に財政黒字を記録したほどである。

日本やアメリカのように資産リッチな成熟国においては、中流以上の資産を持っている層の心理をリラックスさせることが非常に重要だ。まず資産を持っている小金持ちが、「人生をエンジョイしよう」「家を建て替えよう」「別荘を買おう」「車を買い替えよう」「旅行に出かけよう」という気持ちになって消費を先導しなければ、経済はプラスの方向に進まない。