断片的な知識、あるいは分析に基づいて正しい企業戦略を立てることは絶対に不可能である。そんな戦略がたまたま良い結果を生み出すことがあったとしても、それは幸運のせいか、でなければ霊感のおかげなのである。

真の戦略家は、運にも霊感にも頼らない。真の戦略家には信頼性がもっと高く、成功間違いなしの処方がある。私が戦略的思考と呼んでいる、分析という手段と柔軟な頭脳を組み合わせたものが、それである。この二つは、互いに他を補うものだ、と私は考える。戦略的思考が創造的な活動をするためには、優れた、洞察力に富む分析が要求される。良い分析を行なうには、戦略的かつ好奇心に溢れた頭脳が正確な疑問を持ち、それを解決指向型の設問に仕立てることが必要なのだ。

先入観の立証を目的にした分析からは、創造的な解決は期待できない。直観だとか、いわゆるカンのみに頼っていては、安心できる事業計画は立てられない。成功する戦略をものにするには、分析と柔軟な頭脳という二つのものの間のバランスをうまくとることが、肝心なのである。