今春卒業予定の大学生の就職内定率は59.9%(2011年10月1日時点)で、過去2番目の低さだった。この結果は悲観的に語られがちだが、人材コンサルタントの常見陽平氏は「むしろ、前年同期より上がっていることに注目すべき。震災はあったが、大企業を中心に採用予定数は回復傾向にある」と分析する。

ただし就活現場の厳しさは変わりそうもない。その理由を「数字には表れていない“質的な問題”が隠れているから。世界的な経済環境の変化に伴い、グローバル人材候補生、イノベーター型人材、優秀な理系学生といった高度な人材を求める企業が増えており、選考や採用時にミスマッチが起きている」と常見氏は話す。

そんななか、2013年3月卒業生の採用に向けた会社説明会が12月1日からスタートした。「学業に配慮」という大学側の要請を受けて経団連が倫理憲章を改定したことで、例年より2カ月遅くなっている。この動きを常見氏は「短期決戦になり、企業、学生の双方にとって不幸」と断言する。企業は認知不足による優秀な学生の取りこぼしが懸念され、学生も危機感はあるが何から手をつけていいかわからない。

常見氏は「就職エリートと就職弱者の学生の二極化はさらに進む。外資やベンチャーなどを含めると採用が自由化・多様化していることを前提に、インターンシップ等を活用して早めに内定を出せば、優秀な学生は学業に専念できる。一方で就職弱者の学生に仕事を斡旋する公的なセーフティネットも必要だろう」と提言する。