タワーマンションとは、通常20階建て以上の超高層マンションを指す。超高層ならではの眺望のよさが、最大の売りだろう。タワーマンションは、メリットとデメリットが実に明確だ。まずは、メリットを見ていこう。

第一に、マンションの建物の足元がすっきりしていることが挙げられる。タワーマンションのほとんどが、総合設計制度を利用して建てているからだ。この制度は、敷地の一部を公開空地として誰にでも開放することで、通常の容積率や高さ制限などの規制を緩和してもらうもの。そのため、隣の建物との間にゆとりができ、駅前なのに敷地内に樹木が植えられ、ベンチが置いてあったりするのが特徴だ。

次に、マンションの付帯施設が豊富であること。タワーマンションの多くは、ゲストルーム(来訪客用宿泊室)やラウンジ、シアタールームや屋上庭園など、様々な付帯施設があることも魅力だ。また、下層階の数千万円のタイプから超高層の億超えのタイプまで、価格の幅が広いのもタワーマンションならではの特徴。

業者側からすれば、億超えのタイプが売れ残ると事業に支障が出るため、ホテルのような豪華なロビーなど、高額帯の消費者が満足するグレードを取りそろえる必要がある。その結果、低層階の住人も含めて居住者全員が、それらを利用できることになる。

ほかにも、管理・サービスやセキュリティがよい、プランのバリエーションが豊富、駅に近い物件が多い、北向きでも明るいなどのメリットがある。

一方、デメリットはというと、実はメリットの裏返しだ。眺めがよい設計は、窓が大きくて外から見えやすいなど、プライバシーに気をつかうことになる。足元にゆとりがあることは、誰でも敷地に入ってこられるということになり、駅前に物件が多いということは、治安が気がかりということにつながる。

付帯施設が豊富でサービスがよい点は、それらを維持するためにコストがかかることに跳ね返る。価格やプランの幅があると、逆に様々な価値観の人が一つ屋根の下に暮らすことになり、全員の合意で決めていく「管理」面で労力がいる、などのデメリットに結び付くものだ。ほかにも、高層階では風が強いこと、内廊下方式なので室内を風が通りにくいことなどもデメリットとして挙げられる。

また、心理的なものだが、地震でエレベーターが止まったり、火災が起きたりしたときに、階段で下りられるかどうかを常に心配してしまうような人には、タワーマンションは不向きかもしれない。

このように、同じことでもメリットと感じる人もいれば、デメリットと感じる人もいるので、自分の性格やどんな家に住みたいのかなどを明確にしたうえで、選択をすべきだ。そうでないと、ランドマークとして見栄えがいいからと安易にタワーマンションを選んでしまい、住んでから後悔するようなことになりかねない。実際に、憧れで買ってしまったが、眺望のよさにも飽き、普通のマンションに住み替えたいと言っている人もいる。

今は、タワーマンションが大量に供給されている時期ではない。しかし、麻布十番や二子玉川、大崎など、立地に恵まれた物件が販売されているところなので、そうした住環境のよいタワーマンションを探すには好機といえる。

※すべて雑誌掲載当時