客室本部チーフCA・吉川陽子氏(写真右)、CA・秋澤まゆ氏(写真左)。

小島たち地上職から、仕事を引き継ぐのがCAたちである。吉川陽子は、87年の入社で、国際線のチーフキャビンアテンダントを務めるベテランだ。秋澤まゆは04年の入社で、こちらも羽田発の国際線に乗務している。

定時性について聞くと、秋澤が「最近は“一丸”という言葉をよく使うようになりました」と答えた。吉川がその意味を引き取って、こう続ける。「破綻前の私たちは、部門を超えて接することはほとんどなかったんです。しかし、本来、定時性を守ろうとすると、部門を超えた協調が求められます。仕事を引き継ぐときも渡すときも、次の人が仕事をしやすいようにということを、より強く考えるようになったということです。徹底してお客様の視点に立てば、当たり前のことなのですが、いままでできていなかった」。

(文中敬称略)

※すべて雑誌掲載当時

(小倉和徳、室川イサム=撮影)