東京都知事選挙か衆議院選挙への立候補が取り沙汰されている東国原英夫・前宮崎県知事が東京・千代田区に個人事務所を開いた。場所は国会議事堂から徒歩2分のところにある超高級マンション「パレロワイヤル永田町」。故・金丸信自民党元副総裁ら中央政界の大物たちが事務所を構えたことで知られる。

東国原事務所はマンションの最上階にあり広さは114平方メートル。部屋の所有者は東国原氏と同じ宮崎県出身の経営者で、政界関係者によると、東国原氏は経営者から部屋を無償で借りているという。

経営者は自らが創設した企業グループのCEOを務める傍ら、大衆音楽関連の社団法人の理事長を務めている。社団法人はノンプロによる歌謡選手権などの活動を行っており、会長には高名な作曲家が就任。また社団法人の初代会長は故・玉置和郎元総務庁長官だ。経営者は生前の玉置氏と親しい間柄にあったとされ、この部屋も、以前の所有者の玉置夫人から経営者側が購入したという。

夫人は今回、東国原氏が借りた部屋を含めパレロワイヤルの3室を玉置氏から相続した。玉置氏は総務庁長官当時、3室について閣僚の資産公開のときに資産として公表しなかった。その理由を記者会見で玉置氏は「登記名義人は自分になっているが実際の所有者は政治団体・玉置会だ」「マンションの登記名義人は自分だが、これは政治団体に法人格がないため便宜的に自分の名前で登記したにすぎない」との趣旨の説明をした。

ところが後に、3室とも玉置氏が死亡した日付で玉置夫人が相続していたことが判明し、政治資金の不透明さが浮き彫りになった。ちなみに小沢一郎氏も政治団体「陸山会」の政治資金(寄付金など)でマンションなど多数の不動産を購入し、玉置氏同様、政治団体の所有で自分には何の権利もないと主張している。

経営者側の広報担当によると、東国原氏と経営者は出身が宮崎県の隣町どうし。口蹄疫問題の基金の件で昨年8月に初めて会ったという。月45万円の家賃を寄付行為として経営者側が、月9万円の管理費を東国原氏側が支払う。年額540万円を政治資金4団体に分けて支払うことで、1団体150万円という政治資金規正法の上限をクリアしているという。

東国原氏は橋下徹大阪府知事と会食するなど、活発な動きを見せている。東国原氏の動向から目が離せない。