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国民新党代表 亀井静香(かめい・しずか)
1936年、広島県生まれ。60年東大経済学部卒業後、別府化学工業(現住友精化)入社。62年警察庁に入庁、77年退官。79年衆議院議員当選。運輸大臣、建設大臣を歴任。2005年「国民新党」結党。


 

 「一緒に黙ってやるわけにはいかない」。亀井氏は野田佳彦総理が狙う消費税率UPに真っ向から反対する。TPP交渉参加にも反対だ。小泉政権では、いわゆる「抵抗勢力」の象徴的存在。その反骨精神は民主党政権と連立を組む今でも健在だ。

警察官僚から転身し、1979年、初当選。当時の福田派に所属。その後激しく離合集散を繰り返し、99年には自らの派閥を旗揚げした。言動は常に激しく、反対勢力への攻撃力は群を抜く。一方で、自社さ連立政権への水面下交渉を成功に導くなど、「スタンドプレー」から「寝業」まで手法は幅広い。その力量をかわれて運輸大臣などを歴任。派閥立ち上げ直後には自民党政調会長に就任。

ところが権力の上り坂は、小泉元総理によって寸断された。2001年、相まみえた総裁選では、小泉人気に圧倒され直前に辞退。その後、小泉政治を「弱肉強食」と批判するが、亀井氏が主張する積極財政論は打ちのめされた。ついには郵政民営化に反対して離党、国民新党を結成する。自ら率いた亀井派からは同調者なし。失意の中、彼を支えたものは小泉政治への復讐だ。弱者のための政治を信念に、アメリカ的市場主義を批判し続ける。小泉政治を煽ったメディアにも、いまだ牙をむく。

小党の宿命で影響力は小さい。それでもあきらめない。最近では民主党内の反野田勢力を吸収しようと水面下で画策している。いまだに赤坂の料亭に集い、時にはネクタイ鉢巻きでカラオケに興じる古いタイプの大物だ。

趣味は油絵。燃えるような富士山、どこか涼しげな山桜など、繊細なスケッチと大胆な筆遣い、そしてちょっとした遊び心が垣間見えた。政権の中枢から小党の代表へ。乱高下激しい政治人生が描かれているようだった。