民主党の小沢一郎元代表の政治資金規正法違反事件(虚偽記載)裁判で小沢事務所の“金満体質”と“不協和音”が表沙汰になった。12月1日に証人として出廷した大久保隆規元秘書が明らかにした。

大久保証言によると、事件が起きた2004年当時、小沢被告の東京事務所には、2人の女性秘書がおり、小沢邸近くの秘書寮で同居していた。

ところが、「女性秘書2人の仲がよくなかった」ため同居が困難になり、男性秘書の結婚予定もあって、今回の政治資金規正法違反事件の舞台になった4億円の秘書寮を新たに建設することを大久保元秘書が小沢被告に提案したという。

「小沢先生の自宅の近くに旧秘書寮がありました。ここは通称1号邸、2号邸、3号邸と呼ばれ、1と2に私と石川知裕元秘書(現衆院議員)が住み、3号邸に20代の独身女性秘書2人が共同生活していた。3号邸は風呂とキッチンが共用だったが、2人は性格が合わない印象で、さらに男性秘書4人が今後結婚の予定だったので、新たな秘書寮用の土地を私の判断で探していた」(大久保証言)

結局、大久保元秘書らは、小沢被告の個人資金4億円で秘書寮を購入するのだが、そのことを陸山会の04年分収支報告書に記載しなかったとして虚偽記載で一審有罪判決を受け、小沢被告も共謀したとして別途起訴された。

「1~3号邸」のほかに、新たに4億円もかけて秘書寮を建設するとは、不況に苦しむ民間企業にはまず真似できない贅沢さだ。なお現在、政治資金管理団体で不動産を所有しているのは陸山会だけだ。

この「1~3号邸」は小沢被告の妻、和子夫人の所有。和子夫人は新潟の建設会社・福田組の創業者一族だが、「1~3号邸」は福田組の子会社が購入翌年に和子夫人に転売(土地)したもので「福田組から小沢被告側への事実上の政治献金」と言われた。陸山会は政治献金や税金を使って和子夫人に毎年4000万円もの賃貸料を払っており、賃貸料総額は10年間で4億~5億円に達するとみられている。

大久保元秘書は指定弁護士(検察官役)から「秘書寮を建てず、民間から賃貸したほうがずっと安上がりなのに、なぜそうしなかったのか」と聞かれ、「そんな発想はなかった」と言い続けた。大久保元秘書は「虚偽記載や(小沢被告らとの)共謀もなかった」と証言したが、裁判官を納得させられたかどうか。