内外の株に投資する金額が決まれば、401kの中で何を持つべきかを考えます。このときに重要なのは税金と信託報酬です。

401kでは運用益が運用途中は非課税ですから、利回りが高い資産は401kの中に置くのがいい。つまり、株式は401kを通じて買うほうがおおむね得です。

また、信託報酬は、投資信託の運用管理コストとして毎年、資産から差し引かれるので、運用成績に大きく影響します。401kの運用商品では、この信託報酬が市販の商品よりも安い場合が多いのでこの要素も考えましょう。

投資リスクの取り方としてシンプルでかつ効率がいいのは、日本株と外国株を50%程度ずつ持つことです。しかし、以前は外国株投資信託の信託報酬が2%もかかるなど、手数料面で非常に不利だったため、外国株で使える商品がほとんどありませんでした。それが401kでは安い場合が多い。

お勧めの資産配分パターン
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お勧めの資産配分パターン

具体的には、自分の会社の401kの外国株のインデックスファンド(MSCI-KOKUSAIという日本を除く先進国22カ国の株式の株価から計算される指数に連動するファンドがいい)の信託報酬を調べてみてください。それが0.6%よりも安ければ、401kでの投資はそのファンドを中心に考える。そして401kの中か、または自分で独自にTOPIX(東証株価指数)連動のインデックスファンドを買ってバランスを取るといいでしょう。

中国・インドなど新興国に興味のある方は日本株50%、先進国株(除く日本)35%、新興国株(MSCIの新興国株式指数に連動するファンドがいい)15%といった比率で投資してもいいでしょう。新興国株は値動きが激しいのですが、リスク投資の15%くらいまでなら大丈夫でしょう。

要注意なのは、勤め先の会社によっては、401kに手数料が高い商品ばかりが並ぶことです。信託報酬が1.5%もあるファンドが入っている会社もあるようですが、こういう「ぼったくりファンド」しかない会社の社員はこれを避けるべきです。その場合は、401k部分を定期預金などに割り当てて、自分で動かせる資産の中で市販のインデックスファンドへの投資を検討してください。

※すべて雑誌掲載当時

(大山弘子=構成)