超円高が続き、外貨投資に注目が集まっている。アジア新興国通貨投資にも新たな動きがあり、東京金融取引所の取引所FX「くりっく365」は8月1日から人民元、韓国ウォン、インドルピーのアジア三通貨を新たにリリースした。

例えば元。高い経済成長率を誇る中国は世界第二の経済大国となった。国が管理相場制を維持して元高を一定幅に抑え込んでいるため、米国から常に切り上げ圧力を受けている。最終的には切り上げが行われて大幅な元高となって為替差益が手に入るであろうことを意味する。

通常、FXでは低金利通貨を売って高金利通貨を買えば、その金利差に相当する「スワップ」というお金が毎日もらえる。逆に低金利通貨を買って高金利通貨を売るとスワップを支払わなければならない。スワップ金利は毎日変動するが、実際の金利が大きく変動しない限り、それほど変化はない。そこで高金利通貨に対して将来円が安くなる見込みがあれば、買って保有を続けるだけで毎日発生するスワップに加えて為替差益も手に入れることができる。FX会社は「レバレッジ(証拠金に対する倍率)を高くすると相場の急変時に損失を被る可能性が高くなるが、レバレッジをかけなければ外貨預金と同じ感覚で運用でき、しかも手数料が安い」と宣伝してきた。このような原則に照らし合わせれば、アジア新興国通貨の場合も円に比べれば高金利なので毎日高いスワップが受け取れるはずである。

が、現実はそうはいかない。自由通貨でない元の場合、一種のバーチャル通貨の先物取引を使うため金利裁定が成り立たず、将来的な元高の思惑が織り込まれた現在の相場は「割高」となり、高金利でもスワップポイントがマイナスになりがちだ。8月は取引日が23日間あったのだが、元/円ペアの取引は16日間がスワップを支払うことになる「マイナススワップ」となり、10万元・1日あたり315~103円という驚くべき金額だ。同じく韓国ウォンも14日間、インドルピーは8日間がマイナススワップだった。