2011年11月8日(火)

ベテラン「トップ営業」4つの共通点

PRESIDENT 2011年10月31日号

著者
鳥谷 陽一 とりや・よういち

1965年、長崎県生まれ。東京都立大学(現・首都大学東京)経済学部卒。大学卒業後から一貫して組織・人事コンサルティングに従事。2000年よりプライスウォーターハウスクーパースに在籍。著書は『ミッション』『モヤモヤ職場』(共にプレジデント社刊)など多数。金沢工業大学大学院客員教授。

鳥谷陽一=文
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体力的にピークを過ぎ、40代に突入してもなお、トップ営業スペシャリストとして活動し続けられる人がいる。彼らは、成果をあげ続けるためにどんな行動習慣をもっているのだろうか。

 ベテランになったら損な役回りを自ら引き受ける

景気の回復はまだそうすぐには見込めないなか、多くの企業は自社の営業マンの頑張りによる成果向上を切実に願っている。トップクラスの営業マンには業績をあげることは言うまでもなく、そのノウハウを社内に広めてもらいたいという大きな期待もかかるのではないだろうか。では、トップ営業マン、ここでは特に体力的にはピークを過ぎた40代以降のベテラン営業マンに注目して、彼らは高い成果をあげるため何を考えどんな行動をとっているのかを探ってみたい。自他ともに認める複数の「トップ営業マン」への取材を通して見えてきたことをいくつかの観点でまとめてみた。

(1)付加価値を提供せよ

40代の営業マンと比べれば、20代のほうが体力は絶対的にあるし、新しい知識やスキルを吸収する力も格段にある。つまり、40代、50代と年齢を重ねれば足で稼ぐなどの体力勝負は難しいし、スキルの向上も簡単ではなくなる。しかし、一時的に爆発的な売り上げをあげるのは難しいかもしれないが、コンスタントに高い成果を達成する営業マンは、むしろ40代以降のほうがたくさん存在する。本物のトップ営業マンへは15年、20年と時間をかけて成長していく方法もある。

「私は付加価値で勝負したいと思っています」

人材紹介の会社に勤める41歳のトップ営業マンA氏は、自身の武器を「付加価値」と説明した。

「私たちのように目に見えないサービスを売る営業には特に重要なのが、顧客に与える価値ある情報です。ほかの誰でもなく私という営業マンと話すことで得られる情報は、商品を検討するうえで有効で、かつたとえ商品を購入しなくとも、聞いてよかったと思ってもらえるものでなければなりません」

A氏いわく、最も価値ある情報とは、

「自らの体験談と自身がそこで感じたもの」であるという。それができれば、顧客の納得を引き出し、新たな深い気づきを与えることができるという意味だが、そのためには顧客の課題に真剣に取り組む必要もあると強調する。

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