大事なのは我慢ではなく、満足できる妥協案を見つけること。このストレスだらけの世の中で、食べることにまで我慢というストレスを持ち込むことはない。食事は楽しむべきだと思いませんか。

夜中のラーメンを後悔するのは、肥満が気になるからでしょうが、ちょっと太めでも、人は健康で長生きできるものです。それはデータにも表れていますし、実際に人と会っていても、少し贅肉がついているくらいの人のほうが肌つやもよくにこやかで、わずかな体重の増減に神経を尖らせる人より人間的に信頼できる気がします。

「ちょい太」は死亡率が低い!

「ちょい太」は死亡率が低い!

健康で見かけもカッコよくありたいのならBMI値(表参照)は22くらいが理想ですが、カッコよくなくても健康で長生きできればいいというなら、BMIは27くらいまでの「ちょい太」で大丈夫。ときどき夜中にラーメンを食べたくなるなら、その分の余裕を考えて26くらいに抑えておけばよいでしょう。身長170センチの人であれば体重75キロがBMI26となります。

僕も食べることが好きだし、おいしい食事は人生の楽しみの一つ。しかし、必要以上に食べることに関心が向かう人というのは、往々にして過剰なストレスを抱えている場合が多いですね。

昨今の厳しい仕事環境の中で、働く人はどうしてもストレスを抱え込みがちです。だからこそ時にはホッとできる時間をつくらないと、人は疲弊するだけで成果を挙げるどころではなくなるでしょう。

忙しさの中にあっても、夕暮れ時に窓から見える夕日が美しければ、「手を休めてちょっと眺めてみてごらん」と部下に声を掛ける上司がいる職場なら、健康的で生産性も上がるはず。

我慢とストレスをため込むのではなく、ゆとりとゆるみをうまく持たせながら毎日を過ごす。それが仕事も人生もいきいきと回していくコツではないでしょうか。

※すべて雑誌掲載当時

(石田純子=構成 的野弘路=撮影)