我慢しないで妥協策を見つける

<strong>医師・作家 鎌田 實</strong>●1948年、東京都生まれ。諏訪中央病院名誉院長。最新刊『言葉で治療する』など著書多数。
医師・作家 鎌田 實●1948年、東京都生まれ。諏訪中央病院名誉院長。最新刊『言葉で治療する』など著書多数。

とりあえず嫌になるまで食べ続けてみればいいんじゃない? 夜中のラーメンはたまに食べるとおいしいけど、毎日食べていたら嫌になるよね。逆療法ですよ(笑)。

そうでなければ夜中に食べなくてすむよう早寝早起きを習慣づけるとか。人間の体内には脂肪を蓄積する作用のあるビーマル1というタンパク質があるのですが、それがもっとも増えるのが夜10時から深夜2時。その間に食事をすると太りやすいので、ラーメンが食べたければ昼間に限定し、夜は早めに寝てしまえばいいんです。

ただ、夜中にラーメンを食べたくなる気持ちはよくわかります。僕もお酒を飲んだ後に「ちょっとラーメンでも」と誘われると断れないほうだしね。それにビジネスマンは付き合いがあるから、食事やお酒を自分の都合で制限できる人ばかりじゃないでしょう。だったらそこで食べちゃダメだと禁止するのではなく、「こうすればセーフ」という妥協案を考えたほうが賢明だと思うんです。無理矢理制限しても、続けられなかったら無意味だしね。

僕が実践しているのは、夜遅く高カロリーの食事をしたら翌日は「炭水化物断ち」をするというルール。ご飯、パン、甘いデザートなどを一切やめ、おかずだけを食べる。これは効きます。せいぜい2日程度なのでストレスにもならないし、パンとデザートを我慢すればフランス料理のフルコースだって食べられる。

ほかに有効なのはラーメンを他の低カロリー食に替えること。お酒を飲んだ後は喉が渇くので、汁気が多くて味の濃いものが食べたくなります。そこでラーメンの代わりに小盛りのおそばやうどん、お茶漬けを食べてみる。ラーメン一杯はだいたい500~700キロカロリーですが、もっと低カロリーのおそばやお茶漬けでも意外に満足できるものです。