スタートトゥデイは日本最大のファッション通販サイト、ZOZO TOWNの運営会社だ。あるセクションでは、「サイコロ朝礼」と呼ばれる創造性に溢れる朝礼を行っている。

同社は1998年の創業以来、朝礼を重視している。毎朝、全従業員が参加する全体朝礼を行い、ほかにセクションごとの朝礼もある。話題の「サイコロ朝礼」が始まるのは全体朝礼が終わった後の午前8時40分頃からだ。参加するのは、WEBクリエイション部メディアブロックの、「金髪課長」小高洋介氏が率いる8人である。

小高課長が挨拶をし、業務連絡を伝えてから、「では始めましょう。今日のスピーチ担当は林くんでしたね」。

サイコロを投げて出た面のお題でスピーチ。「恋の話」「失敗した話」……今日は何が出るかな?

サイコロを投げて出た面のお題でスピーチ。「恋の話」「失敗した話」……今日は何が出るかな?

指名された林健太氏が大きなスイカくらいのサイコロを手に取って投げると、出た面には「失敗した話」と書かれていた。林氏は「うーん……」と少し悩んでから、スピーチを始めた。

「高校の頃何でもかんでも毒舌で批評していたら、親友から、『健太くん、意地悪ばかりで、ジャイアンみたいだよ』と言われ、ショックを受けました。それからは毒舌をつつしみ、他人にはやさしく対応しています。おしまい」

つまり、サイコロ朝礼とは、短いスピーチのテーマをサイコロを投げて決める朝礼なのである。

小高課長は導入した目的をこう語る。

「この春に新しいチームになりました。顔と名前は知っていたけれど、一緒に仕事をするのは初めてのメンバーばかり。そこで、スピーチを通して、お互いの考え方を知ることにしたのです。サイコロを投げることにしたのは、アドリブ力とプレゼン力をきたえるため。最初からスピーチのテーマを決めると、他社の朝礼とあまり変わらなくなってしまうので、サイコロにしました」

同社では各セクションが好きなように朝礼の内容を決めており、毎朝5分間デッサンをするチームもあった。

(尾関裕士=撮影)