生活スタイルを変える場合は、一気に変えるべきだ。40代以上で、これまで所得の高かった人たちは、「見栄の固まり」になっているから、相当な覚悟がいるかもしれない。最初は辛いだろうが、見栄を剥いだスタイルが、新しい生活習慣として身についたら、しめたものだ。生活が楽になったことが実感できると、「ほかにも何か削れないか」と考えるようになるだろう。家計の見直しでは、まず成果を実感することが非常に重要だ。次のステップへの意欲にも、継続する力にも繋がるからだ。

家計の見直しには3つの力が必要だ。1つ目は「決断力」。買う、買わないをしっかり判断する。2つ目は「結束力」。家計の見直しは、家族が結束し、納得しなければできない。3つ目は「継続力」だ。家計について、家族が一緒になって考えることで、結束力が高まり、目的意識は明確になる。そうすると、継続力がつき、意識が変えられるのだ。

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3つの力を発揮するには、ライフプランを立てることが重要になる。「将来のこういう目標のために、今は我慢しよう」ということが具体的に見えれば、家族が一丸となって頑張ることができる。物を買う場合も、ライフプランにプラスかマイナスかという基準で判断すれば、無駄遣いをせずにすむ。ライフプランを立てることは、難しいことではない。縦軸に家族構成、横軸に年数と家族の年齢を書き、いつ、どんなことにいくらお金がかかるかを書き出す。それを見れば、優先順位や、お金を準備する時期とボリュームを明確に把握できる。目標が見えれば、頑張る意欲も湧くはずだ。

家計にウルトラCはない。だが、これをやると相当家計が変わる。家族全員でプランを立てれば、家族の結束力が生まれる。目的意識も明確になるから、継続力も生まれる。家族との繋がりに幸せを見出すこともできるだろう。

※すべて雑誌掲載当時

(大山弘子=構成 的野弘路=撮影)