車いすにもなるロボティックベッド

生活・医療介護の領域では、どのようなロボットが出現しているのか。パナソニックは、新規事業の柱のひとつに医療介護ロボット事業の強化を打ち出した。同社のロボット開発の拠点は、創業の地でもある大阪府門真市の生産革新本部内に設けられている。同開発拠点にベッドとしても車いすとしても使える「ロボティックベッド」は置かれていた。


パナソニックが、家庭用ロボット事業に参入した、「ロボティックベッド」。

ベッドに横たわる人が、音声入力でこう呼びかける。「ロボティックベッド、車いすになって」。すると、ベッドに取り付けられたスピーカーから返事が返ってくる。「ハイ、クルマイスニナリマス」。するとベッドと車いすの分離が始まる。人が横たわる部分が車いすに変身するために、まず背中を支える部分が持ち上がり、そのまま車いすが横に移動してベッドと車いすが完全に分離する。ベッドから車いすに形状が変わるまでの時間は約40秒。利用者は音声入力だけで、ベッドに寝たまま車いすに移動できるのだ。

車いすは、肘掛けにあるマウスに似たコントローラーの操作で、前後左右に自在に動く。コントローラーをそっと右に傾けると、車いすはそろりと右に動き出す。利用者の頭上にある画面では、テレビの視聴やインターネットの利用はもちろん、玄関のモニターと連動した訪問客のセキュリティ・チェックなども可能だ。

車いすには人や障害物を回避する機能も搭載され、「安心・安全」に徹底してこだわる設計。09年9月末に開催された第36回国際福祉機器展に出展され、大きな人垣ができていたが、現在のところ商品化の時期や価格は未定という。

パナソニックは、産業用ロボットも含めたロボット事業全体で15年度に1000億円以上の売上高を目指すが、このうち10年1月から販売を開始する「注射薬払出ロボットシステム」をはじめ医療介護分野で約300億円を見込む。