不安やストレスを減らすには、どうすればいいのか。日本代表主将などを務めたバレーボール選手の柳田将洋選手は「不安やストレスは誰にでもある。気持ちを切り替えるために、僕は6つの思考法を習慣化していた」という――。

※本稿は、柳田将洋『努力の習慣化』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

バレーボール男子五輪予選・日本-イランの試合、第3セット、サーブする柳田将洋(サントリー)=2016年6月1日、東京体育館
写真=時事通信フォト
バレーボール男子五輪予選・日本-イランの試合、第3セット、サーブする柳田将洋(サントリー)=2016年6月1日、東京体育館

①不安の実態を整理する

誰にでも不安はあります。僕が考える不安とは、「現時点でわからないことを知ろうとしていることで感じるストレス」を指します。

不安を減らす第一歩は、いつ不安というストレスを感じているのか、それに対して自分は何をしようとしているのか、それを明確にして整理することです。もちろん、バレーボールをする中で多少の不安を感じることもありますが、大きな不安を抱えながらプレーをすることはあまりありません。

たとえば、来季の契約に対する不安や、次の試合でいいプレーができるのかという不安は、自分で払拭できます。きちんと練習をすればいいだけですし、今できることをひとつひとつやっていくしかありません。

ただし、周囲から聞こえてくる話で、「これは意味のない不安だな」と感じることもあります。コロナ禍になってからよく耳にしたのは、「東京オリンピックはやるの?」ということでした。東京オリンピックに関しては、自分が開催するかしないかに関わることはできません。思い悩んだり、エネルギーをかけたりしたところで力は及ばないのですから、無益な労力になってしまいます。このように、不安は、大概自分の力が及ばないことなのです。

スポーツの世界では「チームの不安要素」という言い方がありますが、これは実際には不安ではありません。ウィークポイントをなぜか不安要素と言い換えているだけで、ウィークポイントである以上改善の余地があります。

ストレスを溜めるのは、自分に影響を及ぼす毒のようなもの。下手をすると、不安なことだけを考えて一日過ごしていたりすることもあるのではないでしょうか。そんな時は、冷静になって、問題点、自分で改善できること、できないことを整理する。そうすれば、ストレスを感じる必要がなかったなということが意外に多かったりします。