科学の名著20作品一覧

■生命40億年全史 リチャード・フォーティ著、渡辺政隆訳、草思社
大英自然博物館の研究員が、生命の進化の歴史を追う。古生物学者たちの「現場」を描きながら、長大な生命史を1冊に編み上げた力作。

■銃・病原菌・鉄 上・下 ジャレド・ダイアモンド著、倉骨 彰訳、草思社
縦横無尽の論考に引き込まれるピュリッツァー賞受賞作。人類の発展の背景を、家畜、食物、大陸の条件など多様な視点によって読み解く。

■ヤモリの指 ピーター・フォーブズ著、吉田三知世訳、早川書房
自然の中に隠された最新のテクノロジー。生物の機能を科学に活かす研究を取材。科学の「きっかけ」はどこにでもあることを教えてくれる。

■フェルマーの最終定理 サイモン・シン著、青木 薫訳、新潮文庫
フェルマーの残した数学史上に残る大問題。それを解こうと悪戦苦闘した人々の300年にわたる歴史を、素晴らしい筆力で描いた名著。

■原子爆弾の誕生 上・下 リチャード・ローズ著、神沼二真・渋谷泰一訳、紀伊國屋書店
神沼二真・渋谷泰一訳、紀伊國屋書店核兵器はいかにして生み出され、そして広島・長崎の悲劇を生んだのか。その経緯をあらゆる角度から取材、検証した重厚な作品。

■飛び道具の人類史 アルフレッド・W. クロスビー著、小沢千重子訳、紀伊國屋書店
投石からロケットまで。人類史の「ものを投げる能力」に焦点を当てる。

■寺田寅彦随筆集 全5巻 寺田寅彦著、小宮豊隆編、岩波文庫
物理学者という枠にとらわれず、空想を重ねていく随筆の数々からは、俳人「吉村冬彦」としての顔もうかがえる。

■沈黙の春 レイチェル・カーソン著、青樹簗一訳、新潮文庫
農薬など化学物質の環境への影響に初めて警鐘を鳴らした気骨の書。

■DNA ジェームス・D. ワトソン、アンドリュー・ベリー著、青木 薫訳、講談社
遺伝学を大きく塗り替えたDNAの二重らせんの発見。ノーベル賞を受賞した当事者がその歴史を振り返る。

■生命の未来 エドワード・O. ウィルソン著、山下篤子訳、角川書店
生物多様性の重要性を、「知の巨人」と呼ばれる著者が提唱する。

■ワンダフル・ライフ スティーヴン・J. グールド著、渡辺政隆訳、早川NF文庫
100年前に発見された奇妙な動物の化石群。その謎をめぐる人間模様。

■文明崩壊 上・下 ジャレド・ダイアモンド著、楡井浩一訳、草思社
上巻では、文明崩壊の要因は環境への過大な負荷にあると論証。下巻ではルワンダや中国に崩壊の萌芽を見る。

■「数」の日本史 伊達宗行著、日経ビジネス人文庫
そろばん、九九、和算……。縄文時代から始まる「数文化」の足跡に迫る。

■数の悪魔 エンツェンスベルガー著、丘沢静也訳、晶文社
数学嫌いの少年が、夢に現れた悪魔と繰り広げる12の数の物語。

■世界でもっとも美しい10の科学実験 ロバート・P. クリース著、青木 薫訳、日経BP社
地球の外周の測り方を知っていますか? 科学史上の有名実験を解説。

■人はなぜエセ科学に騙されるのか 上・下 カール・セーガン著、青木 薫訳、新潮文庫
宇宙人や永久機関などの似非科学に騙されないための啓蒙エッセイ。

■ロバート・オッペンハイマー 藤永 茂著、朝日選書
「原爆の父」と呼ばれる物理学者の評伝。「愚者としての科学者」という副題が示す問題提起は奥深い。

■対称性 レオン・レーダーマン、クリストファー・ヒル著、小林茂樹訳、白揚社
ノーベル物理学賞受賞の著者が、宇宙における原理法則を説く。

■物理学はいかに創られたか 上・下 アインシュタイン、インフェルト著、石原 純訳、岩波新書
物理学における不朽の名著。基本的知識を押さえるのにも適している。

■宇宙を織りなすもの 上・下 ブライアン・グリーン著、青木 薫訳、草思社
「時間」と「空間」をめぐる研究の歴史、最前線を明快に解説する。

(構成=稲泉 連 撮影=若杉憲司)