2011年10月31日(月)

大地震に備え本当にしておくべきこと

「不安なく暮らす」ための全課題21【1】

PRESIDENT 2010年1月18日号

俳優 堀内正美 構成=永浜敬子 撮影=小川 光
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「まさか」をリアルに描く想像力を持つ

<strong>俳優 堀内正美</strong>●自ら阪神大震災で被災し、市民ネットワーク「がんばろう!!神戸」を結成。2010年秋公開の映画「ホームカミング」に出演。
俳優 堀内正美●自ら阪神大震災で被災し、市民ネットワーク「がんばろう!!神戸」を結成。2010年秋公開の映画「ホームカミング」に出演。

いつどこで起こるか予想できないのが災害です。もし未曾有の災害に遭遇した場合、まずは生き残ることが大切。そのために一番重要なのは自分の存在を他者に知らせること。その際に役立つのが「笛」です。

私は阪神大震災で被災しましたが、8時間生き埋めになった知人から聞いた話が今も深く心に刻みついています。それは、身動きができなくなったとき、救援者がすぐ近くまできているのに自分の存在を伝えることができなかった、そのうち衰弱して、声も出せなくなったという体験談。「せめて音が出せたら」と言った言葉を聞いて笛を思いついたんです。

笛なら息をする程度でも音が出ます。ペンダントトップのように、常に身につけておけば、体力を温存しつつ効果的に音が出せます。また、災害というと地震や津波など、自然災害をイメージしがちですが、地下鉄や建物の中で火事や犯罪に巻き込まれるケースもあるでしょう。子供に持たせれば防犯対策にもなるのでは。

そして、小さな灯があればさらにいい。我々は常に人工的な光の中で生活していますが、たとえばビルの中で誰かがいたずらで電源を落としたら、もうそこは漆黒の闇です。そんなときにも笛と小さなペンライトがあれば、生き残れる可能性はぐんと大きくなる。

阪神大震災のときは、避難する人、緊急車両、またマスコミや救援物資を届ける車両で街は大渋滞を起こしました。そんな中、スーツを着て自転車で会社に向かう人の姿があちこちで見受けられました。これも企業内で災害時の約束事がきちんとされていなかったのが原因です。まず自分や家族の安全を確保する。備蓄品はどこにどれだけあるといった情報を共有し、災害時の連絡先や行動の原則を決めておく。これでスタート地点での活動が大きく違ってきます。

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