人に説明するとき、結論から先に知りたがる人がいる。だが、「論破王」と呼ばれているひろゆきさんは「アタマの悪い人は理由を理解せずに、短絡的に結論だけ聞こうとしてくる。大事なのは結論ではなく、理由のほうだ」という――。

※本稿は、ひろゆき『無敵の独学術』(宝島社)の一部を再編集したものです。

オフィスで部下を叱る上司
写真=iStock.com/metamorworks
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僕の「切り抜き」動画の尺が長いワケ

成功者から学ぶべきことは、結論ではなく思考のプロセスです。それなのに、アタマの悪い人は前提の情報をきちんと理解しないで、短絡的に結論だけを聞こうとします。

僕のユーチューブ動画の「切り抜き」も、長すぎるから短くして要点だけ知りたいというニーズがあるみたいなのですが、それは短絡的に答えが欲しい、短い時間で答えが知りたいということなのだと思います。

でも、多くの場合、重要なのは単純に答えや結論を知ることではなく、どうしてその結論に至ったのかという理由の部分を理解することだと思います。

たとえばですが、「家庭用蓄電池って流行ると思いますか?」という質問に対して、僕の結論から言えば、「うん、流行ると思います」。

でも、その前提には、中国、インド、アメリカの火力発電とか原発を推進する流れが勝つのか、あるいは、グレタ・トゥーンベリさんみたいなエコの主張が勝つのか、という話があります。

僕が「なぜ」、流行ると思うと判断したのか。その理由のほうがずっと大事ですよね。こういう材料・情報があります、だからこういう結論に至ります、ということが大事なのであって、結論自体がそれほど大事だとは思いません。

むしろプロセスを知っていれば、結論なんて自然と出てくるものです。

結論だけ知りたがる人はアタマが悪い

ところが、アタマの悪い人は理由を理解せずに、短絡的に結論だけ聞こうとしてきます。

「家庭用スーパーコンピュータは流行ると思いますか?」「量子コンピュータは流行ると思いますか?」というような質問に「はい/いいえ」でどんどん答えることもできますが、それを聞いて覚えて、何かいいことがあるとはとても思えません。

むしろ、「量子コンピュータが流行ると思いますってひろゆきさんが言ってました」と誰かに言ったところで、そこに説得力はいっさいありませんし、「ひろゆきさんがユーチューブの動画で言ってたんですよ」と説明したら、「こいつ、アホだな」と思われるだけです。

結論なんて、時代や前提によってズレていくものなのです。