なぜ成金は「散財ぶり」をひけらかすのだろうか。作家・投資家の本田健さんは「そうした人は『不自由なお金持ち』だ。自由で幸せなお金持ちは、自傷行為のような散財をする必要はない」という。セブン‐イレブン限定書籍『お金に困らない「答え」』からお届けする――。

※本稿は、本田健『お金に困らない「答え」』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

シャンパンで乾杯
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お金持ちなのに不自由な人

よく、「お金で自由を買うことができる」などといわれることがあります。

それは本当のことなのでしょうか?

確かにお金がたくさんあれば、好きな物を買うことができて、好きな食べ物を食べることができて、好きな国に遊びに行けて……と、勝手気ままな生活をすることができるでしょう。その点では、お金は間違いなく、あなたに経済的・精神的自由をもたらしてくれます。

しかし、世の中にはお金を持っているにもかかわらず、不安や怖れ、妬みや罪悪感などにとらわれた「不自由な」お金持ちもたくさん存在します。

たくさんお金があったら、人生でなんの問題もなくなると考えている人は、ちょっと戸惑うのではないでしょうか?

「不自由なお金持ち」たちは、「いまこの瞬間」に幸せを感じていないし、自分で自由を見出してもいません。お金さえあれば、もっといい気分になるはずだと思っていたのに、その期待に裏切られるお金持ちはたくさんいます。

そして、時代が大きく変わっているので、「お金持ちでい続ける」ことは以前よりも難しくなっています。ぼんやりしていると、いくらお金を持っていても、やがてお金は離れていくでしょう。

それこそ心のさびしさを埋めるように浪費したり、他人に簡単にだまされたりして、結局は不自由な人生を送ることになってしまうのです。

つまり、人生の自由を得るために大切なのは、いまを楽しんで生きる心の状態なのです。そうした姿勢がお金にも反映され、あなたの人生を根本的に左右していきます。

なぜ「お金が足りない」のか

自分が生きていくために、「最低限なにが必要か」を本当にわかっている人は、それほど多くないようです。少し、一緒に考えてみましょう。

まず、生きていくためには最低限の衣食住をまかなう費用が必要です。

ほかにも、子どもの教育資金や、老後資金、多少の娯楽やレジャー費も必要でしょう。そうした出費を差し引くと……残りはわずかだと感じるかもしれません。

そんなわけで、たいていの人は、「お金がない!」「もっとお金が必要だ」と口にして過ごすようになります。でも、そういう文句をいっている人たちのお金の使い方をよく観察すると、奇妙なことが起きているのです。