なぜ「K-POP」は世界中で人気になったのか。『K-POPはなぜ世界を熱くするのか』(朝日出版社)を出したライターの田中絵里菜さんは「K-POPには、制約なく、誰もが、どこにいても、お金をかけずに楽しめる、という仕組みがある」という――。
2020年2月21日、K-POPアイドルグループBTSのジミン、ジョングク、ラップモンスター、J-Hope、V、ジン、SUGAがニューヨークのロックフェラー・プラザで開催されたToday Showに出演
写真=Sipa USA/時事通信フォト
2020年2月21日、K-POPアイドルグループBTSのジミン、ジョングク、ラップモンスター、J-Hope、V、ジン、SUGAがニューヨークのロックフェラー・プラザで開催されたToday Showに出演

世界中の人がK-POPに“沼落ち”するカラクリ

米国の3大音楽祭の一つ「ビルボード・ミュージック・アワード」で5月、韓国のアイドルグループ「BTS(防弾少年団)」が4冠に輝いた。2019年に自身が打ち立てた2冠の最高記録を塗り替える快挙で、韓国発の音楽「K-POP」の人気が世界に広がっている象徴的なイベントになった。

K-POPが今や日本国内だけで起きている一過性のブームではないと、世間が認識し始めたのが2020年だったのではないだろうか。そしてその事実を確信するように今年に入って多くのメディアが「K-POPは一体なぜ」といった記事を掲載している。

やはり話題の中心になるのはBTSだが、BTSだけに限らず「K-POP」というパッケージそのものが一部のファンだけではなく世界中に広く認識されるようになっている。難攻不落だと思われたアメリカのミュージックシーンにおいてもチャートを覗けば現在幾つものK-POPグループの名前が並んでいる。

世界中の人々が、なぜ「K-POP」にここまで熱狂するのか――。その理由を探ってみると、私は「5つのバリアフリーがある」という一つの結論にたどり着いた。お金・時間・距離・言語・制約の「5つのバリアフリー」によって、K-POPは“沼落ち”しやすい環境が整っている。

つまり制約なく、誰もが、どこにいても、お金をかけずに楽しめる、その仕組みがK-POPには存在している。本稿では、K-POPにうっかり“沼落ち”してしまう仕掛けを、近著『K-POPはなぜ世界を熱くするのか』(朝日出版社)からご紹介したい。