46歳の若さでヴェネチアビエンナーレのディレクターに選ばれたダニエル・バーンバウム。
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46歳の若さでヴェネチアビエンナーレのディレクターに選ばれたダニエル・バーンバウム。

ビエンナーレでは、全体のテーマを設定し、世界中からアーティストを招致して企画展を行うディレクターが毎回選ばれます。ディレクターはいわばビエンナーレの顔。今年のヴェネチアビエンナーレのディレクターは、ダニエル・バーンバウム。スウェーデン人で、現在フランクフルト市立美術大学学長も勤めています。今年46歳。異例の若さでの抜擢が話題となりました。ビエンナーレのプレジデント、パオロ・バラッタは、バーンバウムを指名した理由として「教育者としてアートの現場やアーティストに近い立場にあり、アートマーケットや流行に左右されず、新しい価値観を作ることが出来る」と語っています。

そのバーンバウムによる企画展「Fare Mondi/Making Worlds/制造世界」の第1会場、アルセナーレを見ていきましょう。元造船所跡地を会場にしているこの場所は、あまりに広くて、気合いを入れて見ないと集中力が切れてしまうほどです。

企画展入口に展示された、リジア・パペの作品。天井と床の間を光の糸が流れているように見える。
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企画展入口に展示された、リジア・パペの作品。天井と床の間を光の糸が流れているように見える。

毎回、この会場の入口はその年の企画展を代表するようなアーティストが選ばれ展示されます。今年は、リジア・パペ。作品から受ける印象では若いアーティストかな、と思ったのですが、実は2004年に77才で亡くなっているブラジルのアーティストでした。細い銅と金の糸のような立体作品で天井と床をまるで光そのもののように照らす作品でした。マーケットで売れるような派手な作品ではありませんが、繊細な美と作品から感じられる浮遊感は、世界を再構築する静かな力なのかもしれません。

会場を少し進んで右手に見える作品はシルド・メイレレスです。彼の作品は、6つの部屋を紫、紺、緑、黄、オレンジ、赤にして、通り抜けながら、次の部屋へ色の残像を残し、全身で色を体験する作品でとても楽しめました。