50年前の問題が今になって顕在化している

第二次ベビーブーム期の1970年代に生まれた子どもたちが、まさに今、大学生の年頃の子どもを持つ世代です。平成になって彼らが就職してからの30年間というもの、親世代の所得がまったく増えない「給料デフレ時代」に突入したことは間違いありません。そのしわ寄せは、確実にその子どもたち世代に襲いかかり、本人の意志や努力とは関係なく、若者たちは、進学も就職も結婚すらままならない「目には見えない十字架」を背負わされて歩かされているようなものでしょう。

生まれたばかりの赤ん坊
写真=iStock.com/minianne
※写真はイメージです

「結果の平等」はないが「機会の平等」はあるという人がいます。本当でしょうか? 機会すら与えられない子どもたちは山ほどいます。進学したくてもできない、やりたい仕事にもつけない、結婚したくてもできない、そうした声にならない叫びが埋もれているのです。

勘違いしないでいただきたいのは、それを親世代の責任であると断じるつもりは毛頭ありません。親世代もまた被害者だからです。

未婚化や非婚化の問題を、若者の意識の問題や出会いがないという問題だけに矮小化してしまうと本質的な問題を見失います。視野を広げ、視座を変えれば、違った視点で見えてくるがあります。2世代にわたって、50年前からくすぶっていた経済構造上の問題が今まさにここで顕在化しているとは言えないでしょうか。

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